日本オランウータンリサーチセンター

セピロク



Sepilok Orangutan Rehabilitation Centre

(セピロク・オランウータン・リハビリテーションセンター)




 このページは、マレーシア・サバ州にあるセピロク・オランウータン・リハビリテーションセンターが来園者に配布しているパンフレットや展示をもとに、久世が作成しました。

 センターで来園者に配布されている日本語パンフレットは、(センターから依頼を受けて)久世が英語版から翻訳したものです。また、センターの展示室の展示については、2004年に久世、佐藤(山本)純栄(青年海外協力隊員)、安間繁樹(JICA専門家)の3名で分担して翻訳しました(これもセンターから依頼を受けて行いました)。

 現在、英語版を含め、セピロクの公式サイトはありません。本サイトも公式サイトでなく、あくまで久世が個人的に情報を提供しているものです。実際とは異なる点があったとしても、一切責任はとりませんので、ご了承下さい。

 また以下に掲載されている写真は、佐藤(山本)純栄さんから提供いただきました。


※現在、セピロクでは日本人を含む外国人(マレーシア国籍を持たない人)のボランティアを原則として受け入れていません。リハビリテーションセンターでのボランティアについて、当サイト内のQ&Aコーナーを参照して下さい。


(最終更新 2006年12月6日)



リストマーク セピロク・オランウータン・リハビリテーションセンターの歴史

 セピロク オランウータン リハビリテーション センター(Sepilok Orangutan
Rehabilitation Centre: SORC) は1961年に森林局副保護官であったバーガス氏によって最初に提案されました。その後、当時のサラワク博物館長夫人であったバーバラ・ハリソン女史が世界野生生物保護基金(W.WF)の支援を得てオランウータンが稀少で絶滅の危機に瀕していることをサバ州政府に訴えたことを契機に、1964年にサバ州政府よってセピロク・オランウータン・リハビリテーションセンターが設立されました。今日では世界で最も長い歴史をもつリハビリテーションセンターとなっています。


 センターの目的は、傷ついたり、母親や生息地を失ったりしたオランウータンたちを森へ帰すことです。多くの孤児たちがリハビリテーションの課程を無事終了し、センターに隣接する4294ヘクタールのカビリ-セピロクの森へと帰っていったと、センターは報告しています。 カビリ-セピロク森林保護区はサンダカン湾へと流れ込む2つの川の名前にちなんで名付けられ、この保護区には貴重な低地熱帯雨林とマングローブ湿地林が広がっています。



リハビリテーションプログラムの概要

はじめに


 リハビリテーションとは、孤児となったオランウータンが将来、森で生活していけるように行われる訓練のことです。

 具体的には、次のような訓練を経て、孤児達は森へ帰って行きます。


 ・森に対する恐怖感をなくす

 ・木登りを覚える

 ・自分で森の中で食べ物を探す

 ・ジャングルに住む他のオランウータンとの関わり方を学ぶ




受け入れ


 センターでは森での生活が困難となったオランウータンの受け入れを行っています。
その主な要因としては…


 ・オイルパーム・プランテーションや森林伐採による生息域の減少

 ・農地(オイルパーム・プランテーション含む)侵入時の密猟

 ・(森林伐採や生息環境の悪化による)負傷や病気


 あらゆる年齢のオランウータンが様々な状態でセンターに運ばれてきます。その多くは栄養失調や脱水症状を伴っており、中には怪我をしたり病気を患っているオランウータンもいます。また、精神的なストレスを伴って運ばれてくる場合が殆どです。

 新しく受け入れられた個体は、獣医師による健康診断、血液検査およびツベルクリン(結核)検査が行なわれた後、90日間の検疫を行ない、他のオランウータンや人に伝染する病気を持たないことを確認します。


オトナや母親と一緒に捕獲されたコドモは、直ちにタビン野生生物保護区に移送され、長期間センターに収容されることありません(深刻なケガや病気を負っている場合のみ、センターでケアを受けます)。







室内保育園(Indoor Nursery)


 病院と検疫室に隣接した室内保育園は、1歳に満たないような赤ちゃんやまだ十分な注意を必要とするオランウータンを看護し、養育する場所です。スタッフは毎日ミルクを与え、温かいお風呂に入れて清潔に保ってやり、夜には寒さを防ぐため洋服を着せてやるなど、献身的な看護を行います。また、抱擁したり、甘えさせてやるなど母親の愛情も十分に注いでやります。

 数時間おきの哺乳を必要とするような赤ちゃんや病気のオランウータンは、スタッフが自宅に連れて帰り、24時間体制で看護しています。


 自然界では、森で生活する術をお母さんから学びます。そのため、小さい時にお母さんを亡くした孤児のオランウータンは森で生活する方法を知りません。室内保育園では、こうしたオランウータンが木登りや他のオランウータンとのコミュニケーションなど、森での生活に必要な基本的な技術を習得します。
十分な水準に達したオランウータンは次のステップ、室外保育園に移ります。








野外学校(Outdoor Nursery)


 ここも室内保育園と同様に、オランウータンを野生に戻すために訓練を行う場所です。ここに移されたオランウータンには、個体識別をするために入れ墨とマイクロチップを入れます。

ここでは、与える食べ物を徐々に減らしながら、スタッフへの精神的な依存からも自立できるようにします。自由な時間が多くなり、森での生活を経験しながら自活する術を学んでいきます。

ここには、オランウータンがその能力に応じて森の中へ中へと移動していけるように4つの給餌台が設置されています。最も遠い給餌台は約1km森の中に入ったところにあります。

この段階で、そのオランウータンが森で自活していけるかどうかが決まります。食べ物を探して森のさらに奥へと入っていき、センターに依存しなくなった時"野生復帰"したとみなされています。



 プラットフォーム (給餌台)A この給餌台(写真)は、観光客やビジターが自然に近い状態で、かつオランウータンを間近に観察できるように公開されている場所です。ここでは1日に2回、バナナとミルクがおやつとして与えられます。リハビリの途上にあるコドモだけでなく、ワカモノや子供を連れたお母さんオランウータンが姿を見せることもあります。オランウータンが来やすいように、かつ木や枝を傷めないように給餌台の周りにはロープが張られています。



※時には病気や事故などで死亡したり、森に帰れなくなる個体もいます。







リストマーク 費用

 1頭のオランウータンを1年間飼育するのに最低でもRM5,000 (約15万円)がかかります。
この中には、オランウータンの食べ物、ビタミン剤、医薬品にかかる費用が含まれていますが(スタッフの給料は除く)、オランウータンが赤ちゃんだったり、怪我や病気を患っていた場合、さらに費用はかさみます。




リストマーク 寄付

 センターでは、オランウータンのリハビリテーション事業を進めていくために、"オランウータン基金(Orangutan
Trust Fund)"を設立し、寄付を募っています。

寄せられたご寄付は以下の事項に使われています;


オランウータンにとって必要な餌、医薬品、栄養剤の購入や、医療設備、ケージ、おとなのオランウータンの移送等、リハビリテーション事業全般の費用。



 当基金はリハビリテーションセンターの入場料、ビデオカメラの持ち込み料を主な収入としています。
当基金へのご寄付は、以下の方法をご利用下さい。


 ・現地で寄付金箱(donation box)に入れるか、直接、受付で支払う

 ・次の宛先へ送金する(日本からは郵便局の海外送金を利用するのが便利でしょう)

  Sepilok Orangutan Rehabilitation Centre

  WDT 200. 90009 Sandakan, Sabah, Malaysia.



センターでは、金銭の寄付だけでなく、物品の寄付もお願いしています。

例えば「室内保育園」でのリハビリテーションにおいて、次のものを必要としています。


 ・紙おむつ

 ・赤ちゃん用のぬいぐるみ

 ・ベビー服

 ・タオル

 ・哺乳瓶


これらの物品をご寄付いただく場合は、直接センターの受付にお持ちいただくか、前記の宛先に郵送して下さい。


 Sepilok Orangutan Rehabilitation Centre

 Wildlife Department, WDT 200.

 90009 Sandakan, Sabah, Malaysia


※日本から荷物を送る場合は、かなりしっかり梱包しないと、途中で箱が壊れて中身が紛失してしまうことがあります。また事前にメールで連絡をとるか、荷物の中に簡単な添え状を入れるようにしましょう。



※この他、Sepilok Orangutan Appeal UKという、セピロクを支援しているイギリスのNGOを通じて寄付をすることもできます。Appealのサイトで寄付をしたり、オンラインショップでグッズを購入することできます。詳しくはAppealの公式サイトをご覧下さい。 Sepilok
Orangutan Appeal UK: http://www.orangutan-appeal.org.uk/ (英語のみ)



リストマーク 他の動物たち

 ハビリテーションセンターの検疫所や動物病院、あるいは屋内保育園には、オランウータン以外の動物たちもいます。


 これらの動物たちは、ボルネオゾウ、マレーグマやカニクイザル、ブタオザルや様々な種類の鳥たちです。他にもクロコダイル、ヘビやトカゲの仲間、スローロリスやウンピョウなどもまれにセンターに運びこまれます。


 これらの動物たちは、親を失ったり、ケガをした状態でセンターに運びこまれ、オランウータンと同じようなリハビリテーションの課程を経験します。

 さらにセンターでは現在、非常に稀少で絶滅の危機に瀕しているスマトラサイも保護しています。スマトラサイを絶滅から救うために、飼育下での繁殖計画に取り組んでいます。
スマトラサイの保護活動について関心のある方はSOS-Rhinoのサイト(http://sosrhino.org/)をご覧下さい。



リストマーク セピロクの連絡先

Sepilok Orangutan Rehabilitation Centre

Wildlife Department, WDT 200.

90009 Sandakan, Sabah, Malaysia.


Tel: (+60) 089 531180

Fax: (+60) 089 531189


E-mail: soutan(a)po.jaring.my


※現地へのお問い合わせは英語かマレー語でお願いします(日本語不可)





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